臨床美術のミリョク 資格取得者の声
臨床美術士4級取得者の声
夢中に描いた作品の魅力を伝えたくて・・・ 緊張しながらも夢中に描いた作品が、その時の『満足』『不満足』に関わらず、見返すたびに良い思い出になることを多くの人に伝えたくて、4級臨床美術士の講座を受講、資格を取得したあと、せんだんの丘でのボランティアに参加させてもらうことにしました。 伝えることの難しさを実感 初めてボランティアに参加したとき、動き方にぎこちなさがあったのはもちろん、制作を終えてからの作品鑑賞会で、感じたことを言葉にして伝えることの大切さと難しさを感じました。参加者の意図に沿わない言葉をかけてしまってはいけないのではないか…と、どうしてもタイミングを逃してしまうことが多くありました。 臨床美術のアートサロンを立ち上げて鑑賞会が楽しみに 現在はボランティアを継続しながら、自分自身の勉強も兼ねて、我が家で実践をしています。参加者として応じてくれたのは母と伯母でした。サロンにしたのは、アートだけでなく、料理や日常生活の情報も伝えていきたいと考えたからでした。 参加者と一緒に楽しみながら・・・ 季節にあった作品を選んだり、楽しんで制作してもらえるように準備したり、参考作品を制作することも私の楽しみになっています。 |
「いまの子どもたちに必要なものではないか」と直感 教員生活も15年を過ぎ、ここ最近はどこか無難に過ごせばいいというような、いわゆる中だるみの状態の自分がいて、何か刺激があればいいなあ・・・と講座の説明会に参加しました。そのときに描いた『怒り』の絵。とても絵には見えませんでしたが、不思議とすっきりしたのを覚えています。そして、「これはもしかすると子どもたちに役立つ。いや、いまの子どもたちに必要なものではないか」と直感し、受講に踏み切りました。 叱るのではなく、受け入れほめる 何より、教師自身の子どもの絵の見方、受け入れ方が変わります。子どもの描いた殴り描きの絵を見て「何でこんなもの描くの?」と叱るのではなく、「すごいね。怒りを描いたんだね。」と受け入れ、ほめる事ができるようになるのです。 教育の現場で臨床美術を・・・ 学校現場では、図画工作、総合的な学習の時間(福祉)、学級活動など幅広く活用することができます。学習指導要領のねらいに合わせて授業を組み立てる難しさはあるものの、表現の苦手な子どもたちがのびのびと造形活動に打ち込むようになるのはうれしい限りです。子どもたちの豊かな感性を引き出し、活かしていくためにも臨床美術の教育の現場への導入を今後も継続して研究していきたいものですね。 |
臨床美術士3級取得者の声
自分にも何か出来ることは無いかと・・・ 家族の介護をきっかけに自分にも何か出来ることは無いかと考えていたとき、新聞記事で臨床美術の存在を知りました。芸術療法や介護について関心があったので説明会に参加したところクリニカルアートの持つ力の大きさを実感することができ、受講を決めました。 「目からうろこ」 絵画・彫刻・工芸など芸術全般を網羅した実践、共感し認め合う肯定的人間観に根ざした理念やコミュニケーション法など短期間に非常に密度のある内容でした。美術経験の有無や年齢・立場を問わず、受講生の誰もが時を忘れて夢中になっていました。 いくつになっても新しい自分に出会うことができる・・・ 現在、ギャラリー杜の音のデイサービス内で臨床美術の教室を担当しています。こちらでは、その日、受けたいサービスを利用者自身が選ぶことができ、多様なニーズに対応できるシステムになっています。教室には、毎回定員を超える参加があり、楽しみながら熱心に取り組む姿や完成作品を前にお互いの作品の良い所を認め合う姿など制作や作品を介して様々な係わりが生まれています。 クリニカルアートがもっと身近なものに!! 今後も、多くの施設や地域社会で臨床美術が実施され、ひとりでも多くの方にその魅力を実感していただけるお手伝いができればと考えています。 |